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小林 七郎おじいちゃん

あたしは、物心着く前に父方の祖父が亡くなり、母方の祖父は、母が子供の頃に亡くなっていて、おじいちゃんがいません。

東京で生まれて、3歳まで大田区池上というところに住んでいました。
母方の祖母の妹と旦那が横浜に住んでいて、昔、まだ家の母が結婚する前にそこに住み込みをしていたのもあり、そこの家はうちのお母さんの第二の故郷になっておりました。
なので、私もそこには子供の頃からよく遊びに行ってました。
叔母は口うるさい厳格な叔母でしたが、旦那様のおじいちゃん(と、呼んでました)は、とってもやさしくて子供の頃からあたしをとっても甘やかしてくれる人でした。
横浜の本牧にある自宅は、あの当時にしてはかなりハイカラで、裏にスカッシュの出来るコートがあって、そのコートの外側には、秋になるとたわわに葡萄がなるぶどう棚があって・・・・金魚がいる池もあって・・・裏庭ではよく卓球をしたものです。
そして、叔母の家は布団ではなくベットがあって、そして、お姉ちゃん(そこの家の娘)が音大を出てるため大きなグランドピアノがある、当時のあたしにしてはとっても大きなお家でした。

あたしが、遊びに行くと
「おーボウボウワよーきたな~」と、あたしの左手をとって必ず家の中に引き入れてソファーに座らせてくれました。
それは、あたしが最後にあったときまでそうでした。
おじいちゃんは、よく子供のあたしを散歩に連れて行ってくれて、冒険ごっこといっては、小さなあたしの手を引いて大きな藪の中を歩いていったものでした。
社会人になって遊びに行った時も、
「おじいちゃん!冒険ごっこしたい!」
と、言ったら
「あの当時の藪はもう無くなってしまったから、新しい冒険の場所を教えてあげるよ!」
と、二十歳を過ぎたあたしの手をとって、新たなおじいちゃんの冒険の場所に連れて行ってくれました。

あたしにとって、本当に素敵であたたかくいつもニコニコやさしく手をとってくれたおじいちゃん・・・
おととい、16日亡くなりました。
寝たまま息を引き取ったそうです。
もう95歳近いおじいちゃん・・・・老衰です。
苦しまずに、天国へ行きました。

今年、日本に帰国した時に家の息子達に会わせるのを心待ちにしていたのに・・・・
おじいちゃん・・・・・もう一度会いたかった。
もう一度、あたしの手を引いてもらいたかったな。
去年の誕生日に
「おじいちゃん、今年でいくつになったの?」
と聞いた時に
「いくつだったかな・・・忘れちまったよ。もう、いくつになってもこの年じゃ一緒だな。ははは・・」
と笑ってました。
そして「来年帰ってくんのか。そうか・・・楽しみにしてるぞ・・・そうかそうか・・・」
と、喜んでくれていたのにね。
もう一度会いたかった。あと、少しで会えたのに・・・・

お葬式にも参列できないし、ちゃんとおじいちゃんにさよならを言えなくてごめんなさい。
おじいちゃん、あたしにたくさんたくさん愛情を与えてくれて、暖かく見守ってくれてありがとう。
これからも、今度は空から見守っていてね。
そして、たまにはまたあたしの左手を引いて冒険に連れて行ってね。
さよならおじいちゃん。
いままで本当にありがとう。
by mummy71 | 2009-07-18 13:42 |